Hans J Wegner FH708の構造

連日暑い日が続いていますが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

五月ってこんなに暑かったかなと思うくらいです。私は暑さが苦手なのですが、ラビーダの植物達は気候も暖かくなりすくすく元気に育っています。何だか嬉しくなりますね。

 

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(エアプランツ立て:佐久間作)

 

さて、今回はHans J WegnerのFH708のビンテージチェアの構造についてお話しします。

Hans J Wegnerは北欧家具を知っていく上で誰もが一番最初に知るデンマークの有名家具デザイナーです。その中には様々な名作の家具が存在しています。

しかし、Wegnerの家具が全て完璧とも限らないのです。今回は40~50年前にFritz Hansen社で作られたFH708の構造を説明します。

 

オリジナルモデルの形がこちら。

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そして今回ラビーダで改良したモデルがこちら。

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この違い分かりましたでしょうか。

そう改良した部分は座面下の貫の追加です。

言葉だけでは分からない方も多いと思いますので写真で説明致します。

 

元々のFH708には前脚を繋ぐ貫が一本。そして前脚と後ろ足の交差するお尻の下当たりに貫が1本あります。

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スッキリとしてとてもいいデザインに見えるこの椅子には座面を支える貫が後部にしか無いのです。

だから椅子が出来た当初は座面の合板も固さがあり強度的に保つのですが、日々人がとこに座り座面の合板が劣化すると座面の全面が体重を支えきれません。もちろん座面の前面下には貫という支えが無いので座面がだれてしまいきちんと座れません。

 

よって、座面前面の下当たりに貫を新しく作る事によって強度を確保しました。

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貫も隙間ゼロでぴったり。添田木工所さんの技術力にはいつも安心します。

 

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木部本体の補強が終わったので次は座面を張り替える作業に移っていきます。

 

現在ラビーダ店頭にはFH708のオリジナルモデルと補強を施したモデルが展示してありますのでご来店の際には座って体験してみてくださいませ。

ラビーダでは様々な家具の修理を承っています。修理や張り替えなど分からない点はお気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

saku