リペア 籐張りのダイニングチェア

夏至も過ぎ、より一層夏を感じさせるような日々になってまいりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。郡山市も日中は30度近くまで上がる日も増えてきました。季節の変わりどころ、皆様体調を崩さないようにご注意下さいませ。

 

さて、先日椅子の張替をしました。

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今回の依頼品はマルニの籐張りダイニングチェアになります。

 

[現状]

・背面の籐張りが切れている。

・座面のファブリックが破けている。

・座面のクッション材の劣化。

 

Before

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籐張りが切れてしまっていました。

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座面前方の生地が擦れて中のクッション材まで見えてしまっていました。

 

[修理内容]

・背面の籐張りの張替

・座面のクッション材の新規製作・生地の張替

 

まずは座面の張り替えです。

ここで知っていてほしい事が一つあります。古い家具の修理をする上で私どもも注意している点が内部構造についてです。今回のダイニングチェアがいい例なのでそれと重ねてご説明します。

背面の籐張りは切れている部分が明確なので修理内容としてもすぐに判断がつきます。

しかし難しいのが座面部分です。クッションの劣化、生地の破れは判断できますが内部の座板(合板)部分の劣化は生地を剥がしてみないと分からないのです。

今回のダイニングチェアも剥がしてみると座面の合板が割れてしまっていました。

 

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基本的に張り替えはクッション材の交換・生地の張替のセットになります。しかしこのように割れてしまっている座板をそのまま使うわけにはいかないので座板も新しく製作する事になります。

しかし椅子の座板のほとんどはU字に曲げて成型している為、新規にそれに合わせて座板を少数製作することは難しいのです。出来ない事は無いのですがそれ専用に型を作らなければならないので張り替え工賃に加え座板制作費もかかってしまいます。

今回のダイニングチェアの座板は真っ直ぐな板状でしたので難も無く新しく製作いたしました。

 

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従来品は9mmのベニヤを使用していましたが、この座板の形状だと強度的に不安がありましたので新規製作の座板には12mmのラワンベニヤを使用いたしました。座面の収まりにも厚み変更の影響はなかったので。

 

そして座面と背面を張り替えたものがこちらになります。

After

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籐も綺麗に張り変えました。

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座面には青系の爽やかな生地を。

 

 

家具の修理は目に見える部分と見えない部分の修理があります。できるかぎり様々な事態も想定しながら修理も行なっていますが、それでも中を見てみないと分からない部分も多くあります。

お客様の多様多種の家具をその人にとっての最良の方法で直せるように日々努力していきたいと思います。

 

今現在お使いの家具の事で修理などを考えている際はお気軽にお問い合わせ下さいませ。

 

F様ありがとうございました。

 

 

saku