オリジナル家具やヴィンテージ家具の修理・メンテナンスが担当です。ヴィンテージ家具は、大半が40.50年の年月を経たもの。コンテナで運び込まれた直後の状態はまちまち、使われ方もさまざまで、同じ作家のものでも手をかける箇所がすべて違います。そのため、個体ごとに状況をチェックしてばらし、塗装の剥離、研磨、カケ修復を行います。レストアでついワクワクしてしまうのは、構造をみるときですね。格好がよく、雰囲気のあるデザインの家具は世界中にたくさんありますが、名作には、名作と呼ばれるだけの理由があるんですね。
もともとは家具職人になりたくて工芸の専門校に入りました。工房で働き、好きな家具づくりを、と考えていましたが、帰郷した折、実家にあった飾りダンスが目に入って。生まれたころから家にあるメーカー品ですが、20.25年ものなのにまったくガタがない。ラ・ビーダ前身の渡部家具店のものだと知り、確かな目をもったお店なんだろうと訪ねてみました。その初めての日に、「造る仕事をしたい」と社長に話しをしたら、「まずは、小さな仕事からの手伝いを」ということになりました。
メンテナンス中心ですが、いまは作業場ばかりにいるわけじゃありません。私は引っ込み思案な方で、正式採用になってから「いい仕事をするなら、お客様とも、パートナーを組む職人さんたちとも、コミュニケーションする力は大事」だと教えられて、できる限りお店に出るようにしました。特に、年齢が近い方が家具をお求めのときは、同世代として考え方がわかる部分が多く、お求めの家具がファーストチャレンジになることも場合もあるので、「本当に必要で、永く使えるもの」を選んでいただけるよう、時間をかけてお話しするようにしています。
ラ・ビーダが「家具と家を、ひとつに」していくなかで、メンテナンスはお客様の一生の家具を支えるものだと思っています。造作などのオーダーにお応えし、またオリジナル家具のプロトタイプを自作するためにも、勉強を重ね、担当できる領域を広げていきたいです。