衣食住、それは人が生きてく上で欠かすことのできない要素です。そのなかでも食べる、寝る、くつろぐという人が最も無防備になる住まいという場所をつくることが私たちの仕事です。自分の住まいを持つこと、それは人にとって大変にしあわせを感じることです。
「しあわせを感じる住まい」を目指してきた私たちは、「しあわせとは何か?」という問いに常に向き合ってきました。満ち足りた心の状態。そのような気持ちで日々を送ることこそしあわせなのだと思います。
2011年の大きな震災とその影響は、福島で暮らす私たちに大きな衝撃と喪失感をもたらしました。福島原発事故による土地の汚染は、「安心安全に暮らす」という普通のことの難しさを教えてくれました。自然が汚れること、未来へ不安を残すこと。どちらのことに対しても大きな心の痛みがありました。
この震災によって、そもそも自然なくしては人の生活など成り立たないということと、自分たちの住まい方が大きく未来へ影響することを深い部分で理解するに至りました。
自然に支えられて私たちは生きています。私たちの住まう家も、使う家具も、たくさんの木を使ってつくられています。日本は縄文の時代から木とともに歩んで来た歴史があります。この豊かな自然を未来へ繋げることは今を生きる私たちの使命です。
未来に生きる人のしあわせを想うとき、ひとは心の充足感を感じます。それはきっと子を想う親の気持ちと同じ気持ちなのだと思います。私たちのつくる住まいは、「自然」と「未来」のしあわせこそ、今を生きる「人」をしあわせにすると考え住まいづくりをしています。
住まいづくりは総合芸術です。山で伐採を担う杣師から製材を担う材木業、大工、家具職人。木工に携わる様々な専門の職人と基礎、左官、板金、電気、水道、ガスなど近代的な家を作るたくさんの職人、そして設計施工に責任をもつ私たちによって一つの家をつくりあげます。しかし住まいづくりに最も大切なことは、そこで暮らす人の気持ちです。このチーム全員が、「三方よし」の気持ちを共有することでしあわせな住まいづくりが完成します。
「福島だからできるしあわせな住まい」を目指して、一緒に住まいづくりをさせていただけることが私たちのしあわせです。
自然よし。
遠い昔から木とともに暮らして来た日本人。 国土の約7割は森林に覆われた、森林大国です。 「日本は資源に乏しい」ということを良く聞きますが、 実は森林資源に関しては先進国の中でトップクラス。 資源はあるのに使われていない、ということが現状です。 木で住まいをつくることは、日本の林業を守ること。 林業を守ることは、森の環境を守ること。 住まいづくりを通して、良い循環をつくりだすことは、 日本人みんなの幸せに繋がることだと信じています。
人間よし