ラビーダの3.11

みなさんこんにちは。長谷川です。

 

あれから3年がたちました。

私たちは変わらず家と家具に向き合う日々を過ごしています。

震災から3年、福島で働き、生活し、日々を過ごしている私たちは、何を考え、何を目指し、行動していけばいいのか。

 

朝、社長から紹介された本が二冊あります。

 

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1972年に出版された「成長の限界」と、2013年に出版された「2052」です。

この二冊はどちらもローマクラブのヨルゲンランダースを中心とした、この世界の危機に関するデータをもとにした私見です。

70年代にはすでに人口爆発やそれに伴う環境問題、そして富の二極化による貧富の差について世界が危機的状況になっていくことをローマクラブは予見し成長の限界というタイトルでまとめました。

そして40年たった現在、問題は何も解決しておらず、新たな問題も出て来た中で、今後の40年を予見し再びまとめたものが2052です。

 

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二冊の本をぱらぱらとめくっていきながら、社長がぽつりぽつりと今後のラビーダについて話してくれました。

 

「イタリアのペッチェイ氏(オリベッティ社副社長)がローマクラブを設立した理由は、子供たちのために、つぎの世代のために少しでも世界を住み良いものにしていくため。ラビーダが目指すべきもの、残していくべきものも次の世代の役に立つものがいいよね。」

 

「人間として、どう生きるべきか。自然と寄り添い、先人を想い、文化を愛し、人間関係を大事にしまじめに生きる。それにつきるよ。本当の意味で大人になりたいね。」

 

「経済成長優先は物質的な豊かさしかもたらさなかったよね。発展=便利さから脱却して、グッドデザイン=グッドビジネスにしていこうよ。」

 

「水と食料と燃料。人間が生きてくために必要なものって、これだけなんだよね。震災のときもこの三つさえあれば安心できた。水も、食料も、燃料もある場所、それって里山なんだよね。里山には資源がたくさんあるんだよ。そのためには、その地域の風土と暮らしが調和していないとだよね。」

 

「子供たちが安心して暮らせる世界が、大人たちにとって一番幸せな世界なんだよ。」

 

社長が考え導きだしてくれたラビーダの向かう先。僕らスタッフも、社長の理念に共感しているからこそ気持ちよく仕事ができています。

 

次の世代に引き継いでいけるラビーダの家具。前の世代から引き継いだビンテージの家具

長く気持ちよく住み継いでいける。エネルギーになるべくたよらず環境負荷の少ない

日本の木仕事の再生と活用。そして世界を代表する家具材である北海道の水楢(ミズナラ)の木。

 

社長の中で全ては一本の線につながっています。

 

 

そんなわけで3.11だからこそ、まずはスタッフが文化を楽しまなければいけないと、急遽ティーパーティをすることになりました!(なんでだ?)

 

長谷川お手製、焼きたてスコーンの準備を慌てて仕込みます。

 

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今日のスコーンはバナナとキウイフルーツ。キウイフルーツは我らがラビーダファミリーの神谷さんから届いた、和歌山のキウイフルーツです。国産!防腐剤なし!安心です。

バナナはスーパーのフィリピン産ですけれども。

 

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ヨーグルトと、

 

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豆乳を投入。

 

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卵やバターはなんとなく使わずあっさりと。今日は3.11なので東北で作っているゆきちからという小麦粉を使用しました。

 

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適当な大きさにしてオーブンで焼き上げます。

 

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いい感じに焼き上がりました。

 

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コーヒーを淹れるのは三崎さんです。

 

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豆をザザァー。富久栄珈琲さんのハニーブレンドの気分です。

 

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ナイスコーヒー。

 

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&ナイススコーン。

 

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そんなわけでのティーパーティならぬコーヒーパーティ。いつもはスタッフルームでする午後のコーヒータイムですが、今日はLカフェのシュミレーションもかねて二階のLテーブルに集合です。

 

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それぞれの3.11。東日本震災の被害はあまりに大きく悲しみも大きかったです。だからこそ、大人たちはどう振る舞っていかなければならないか。文化を楽しみつつも、本質的な話を同じ目線でしていきます。

 

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いろんな気持ちをかかえながらも、もぐもぐ。キウイフルーツの酸味が効いて好評です。神谷さん、ありがとうございます。

 

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器を楽しむことも文化を楽しむことです。今日の器はアンティーク。グスタフスベリ社のリンドベリさんがデザインしたベルサと言う名のシリーズです。葉っぱの柄がかわいいですね。

 

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これからの世界がどうなっていくか。悲観的にとらえすぎずに、自分たちができることからやっていこう。それこそがラビーダだよね、と社長。

日本の木の仕事によって、家族が安心してくつろぐことのできる空間をつくる。ラビーダにできることは小さなことかもしれないけれど、地球環境と人間の暮らしにちょっといいことを提案し続けていきたいと思います。

 

まずは自分の身の回りから。そして向こう三軒両隣へ。ちいさなことからこつこつと、次世代に残すべき環境のために、気持ち新たに仕事に向き合っていこうと思います。

 

 

 

長谷川