リオ会議 ウルグアイ大統領のスピーチ

皆さん、こんにちは。友紀です。
 
 ご存知の方も多いかもしれませんが、以前ラビーダでも上映したセヴァン スズキさんのスピーチでも有名なリオ会議。ここでのウルグアイのムヒカ大統領のスピーチがとても印象的だったので、その一部をこの場でご紹介させていただきます。
 
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mujica
     
私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?
    
 現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。
  
 ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。
   
 このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。
 
「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
 
 私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。
 
 そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。
 
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 何だかあたりまえのようでいて、ジ〜ンと心に来ました。
 世界各国からたくさんの首相が来ていたのに、自分のスピーチが終わると一人また一人、と退席してしまう中、最後ほぼ聴衆のいない中この演説をされたそうです。世界一貧しい大統領、と言われているそうですが「貧しい」って何だろう?「豊か」って何だろう?と考えさせられました。
 この先、この福島を、日本をつないで行くこどもたちには「勘違い」せずに生きて行って欲しいな〜と切に願います。
 使い捨てではない、愛のくっ着いちゃった「おうち」と「家具」をお渡ししてきたシアワセ。大統領の演説を画像で聴くと何度も“ la vida !“と。そうそう、わたしたちは”La Vida”スタッフ。今後も「暮らし」と真摯に向き合い、お仕事していきたい、と感じさせていただいたスピーチでした。
 
このスピーチが日本語に訳されるには、少し時間を要したようですが、全文はこちらからご覧いただけます。ムヒカ大統領の生の声をぜひ、お聴きください。
 
http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/

※日本語訳・写真をこちらから引用させて頂きました。