以前、あの椅子をご購入いただいたS様宅へ納品へ行ってきました。
今回納品するのは、ベアチェア、P.H&Mのサイドボード、ドレッサーチェスト、ウォールカップボード。書きだしただけでもドキドキするような最高級の家具たち。そして、今回仲間入りする家具たちを待ち受けるのは、あの椅子! フィン・ユールのNV-45。
もちろんニールスヴォッダー製。昨年生誕100周年で世界各地でイベントが開かれ、再び注目を浴びているフィン・ユールの家具ですが、S様がお持ちなのは、デンマークのオークションでも稀にみるブラジリアン・ローズウッド。これ以上無いと感じるほどの木目です。
そして、このフィン・ユールのNV-45はラ・ビーダにとっても伝説の椅子なのです。
渡部社長がはじめてデンマークのビンテージ家具を仕入れに行った時。かき集めた軍資金であんなものやこんなもの、素敵な家具をたくさん仕入れてくるだろうと心待ちにしていたスタッフ一同。渡部社長が帰国後、デンマークでの土産話に期待感が膨らむ中、数カ月後入荷してきたのは椅子が2脚。たった2脚。軍資金を使い果たして仕入れてきた家具が椅子2脚のみ。そうです、このフィン・ユールのNV-45が2脚でした。1脚いくらするの?と計算を放棄したくなる椅子。
あれから20年近く。これ以上のものは出てこないのではないかと思われるほどのNV-45に、渡部社長の先見性というより最高のものを躊躇なく仕入れてくる度胸に感服し、またそれを購入したS様にも感服いたしました。当時のことを思い出しながらお話していたS様と渡部社長はさながら戦友のようでした。
伊藤
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