こんにちは、長谷川です。
ラビーダには漆(うるし)を塗っている家具が置いてあります。
漆塗りと日本人の関わりが始まったのは縄文時代と言われています。
はるか昔から、モノを大切にするために、漆を塗って強度を高めてきました。
縄文ポシェットといわれる布に漆を塗ったポシェットは、製作されて2000年以上経った今でもその形を留めていますし、平安時代の漆の箱は今でもその輝きを失う事無く保存されています。
高級なイメージのある漆塗りですが、その耐久性を考えると、とてもコストパフォーマンスのたかい塗装と言えるのです。
そんな漆の文化は、実は福島県には深く根付いています。
現在、日本で流通する漆の97%は中国産といわれているなか、会津若松や喜多方では漆の木を育て、漆産業を復活させようという取り組みを多く見る事が出来ます。
ラビーダが漆を塗るテーブルは、器よりも大きいので、器専門の塗り師さんには断られてしまう事が度々あります。
そんななか、建具や御神輿、寺社仏閣などの建築物を漆で仕上げる市崎塗装店の渡部さんと出会いました。
市崎塗装店さんは、喜多方で六代続く塗装の専門店です。
樹脂塗装が普及していく時代を目の当たりにしながら育った渡部さんは、漆の文化を守ることを若い頃から考えはじめ、幅広い塗装の技法をお祖父さんから受け継いだそうです。
それと平行して、漆の木を育て、漆の樹液を掻く活動もしていらっしゃいます。
国産漆が非常に珍しいものとなっていますが、渡部さんにお願いして塗ってもらう漆は100%国産、喜多方産の漆です。
和紙を使って、漆に含まれるゴミを漉しとります。
漆塗りに使う専用の刷毛も見せていただきました。
刷毛の毛は、人間の髪の毛を使用しています。
漆専用の刷毛を作る職人さんも少なくなってしまい、いまでは日本に数えるほどしかいらっしゃらないそうです。
ラビーダのaテーブルに漆を塗っていただいています。
今回の漆塗りの技法は拭き漆。塗っては拭き取り、塗っては拭き取りを繰り返す技法です。
拭き漆の回数は、3回で終わるときもあれば何十回も塗り重ねるときもあります。
今回は5回の拭き漆。テーブルとしての耐久性や光沢の出方などを考え、回数は決められて行きました。
漆が固まってから塗り重ねる、という段取りになりますので、塗りの行程だけで3ヶ月ほど日数がかかります。
こちらのaテーブルは、すでに完成し、店頭にて展示されています。
どうぞその麗しい質感を、実際にご覧いただければ幸いです。
漆については、またレポートして行きたいと思います。
長谷川
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