こんにちは、長谷川です。
I 様邸の工事、着々と行程は進み、屋根がほぼ仕上がりました。
現場には、ラビーダのコンセプトとグッドデザイン賞の垂れ幕がかかります。
I 様邸の屋根の野地板(下地)は杉の無垢材。福島、栃木、茨城にまたがる八溝山で育った杉です。
無垢材のゆがみを計算し、四隅には合板も使用しています。
杉の野地板の上にはタイベックルーフライナーというインナーシートを張ります。
このタイベックルーフライナーは、透湿・防水・遮熱に優れたシートです。
登山用品によく使用されるゴアテックスのような素材、といえばわかりやすいでしょうか。
室内の住環境の快適さに必要な三つの性能を向上させてくれる重要なシートです。
下地への固定はタッカーを使用しますが、タッカーによって空いた穴から水分が侵入してくる事を防ぐために、打ち込み部が決められています。
タイベックの上にディプロマットという屋根材を葺いて行きます。
ディプロマットは錆に強いジンカリウム鋼に、保護膜として岩石粒を溶着した高耐久屋根材です。
欧米では40年以上の実績のある屋根材で、極寒の北欧から灼熱の南米やアフリカでもその高い断熱性能で愛されています。なんと30年間のメーカー保証によって品質をサポートしてくれます。
日本瓦の約1/8の重さという、大変軽量なディプロマット。屋根が軽量化されることによって、地震による建物の揺れを軽減する事に繋がります。インターロッキング工法という家と屋根材が一体になる工法によって、アメリカの巨大ハリケーンにも耐える実績も持っているそうです。
音を吸収する岩石粒のコーティングは、防音性にも優れ、激しい雨音も和らげてくれます。
今回の屋根工事を請け負っていただいているのは、佐藤板金店三代目の佐藤正太郎さん。
まだお若い佐藤さんですが、仕事のキャリアは長く、いつも丁寧で美しい仕事をしていただいております。
佐藤さんが屋根を葺く現場に同行させていただけることになりました。
佐藤さんが仕事のときに必ずかけるサングラスは、屋根が太陽光を反射し、目を痛める事を防ぐために、屋根作業には必須のアイテムだそうです。屋根作業をするベテランの方の中には、太陽光によって目がやられてしまう方がたくさんいるそうです。
屋根にあがるときは必ず地下足袋。足下が滑ってしまうと命に関わります。
「良い仕事をするためには環境が大事」と佐藤さんが教えてくれました。
足場がしっかり組まれ環境が整っている現場は、仕事の質だけでなく、職人さんの命を守る事に繋がります。職人さんが安心して仕事に集中できる現場を整えることが、良い家を建てるためには必要不可欠であることを実感します。
屋根材はリフトで一気に上に上げられて行きます。
屋根に上がる佐藤さん。
離れ西側の屋根を仕上げて行きます。
正しい場所に正確で均一に屋根を固定して行きます。佐藤さんは淡々と簡単に仕事をこなして行くように見えましたが、手作業で奇麗な屋根を葺くことには実はとても技術がいる仕事だという事を、後で片山さんに教えていただきました。
危険な作業現場であるにも関わらず、優しく案内してくれた佐藤さん。
佐藤さんの人柄があらわれた、本当に丁寧な仕上がりの屋根が完成すると思います。
どうぞご期待ください。
長谷川
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