この白い乾燥植物、なんだかわかりますか?
和紙の原料となる、「こうぞ(楮)」です。
ラビーダのホームタウンである、三春町の里山で、紙漉き職人をやられている西森さんの「工房あせりな」を訪ねました。
とても上質な紙を漉いている、西森さん。
渡部社長もその品質に、驚きました。
江戸時代から続く、伝統的な紙漉きの技法で漉かれた、和紙。
一枚一枚、丁寧にコウゾの黒い皮を削ぎ、白い繊維だけにすることで、紙の白さは生まれます。
現在、全国でも手すき和紙を製作している職人はおよそ300戸しかいなくなってしまったそうです。植物のコウゾを紙の原料にし、その原料で紙漉きまでする西森さんは、和紙職人のなかでも希有な、すべてを一貫生産することができる職人です。
日本で流通しているコウゾの約半分は、海外産の物と言われています。国産のコウゾはその多くが高知県産のものです。
そんな現状で西森さんは、コウゾの栽培にも着手しはじめているそうです。まだまだ納得のいくコウゾの栽培とは言えないようですが、福島県三春産のコウゾで、どんな和紙ができあがるのか、今後がとても楽しみです。
和紙原料の製造工程も教えていただきました。
コウゾは、釜で焚かれ煮ることで、柔らかな繊維質だけが取り出され紙の原料となります。
ただの水で煮るだけではコウゾの繊維は柔らかくならないため、灰を入れてアルカリ性の溶液を作る必要があるそうです。
かつては国家機密だったという、紙の製造。紙漉きの歴史は大変奥深く、今後も工房をたずね勉強していきたいと思います。
最低でも30年もつという、手すき和紙の障子紙。
西森さんが漉いた和紙は、非常に上質な手触りと、丈夫さを兼ね備えています。
漂白していない手漉きの和紙は、繊維が痛んでいないため紫外線によって劣化することなく長持ちします。
空気層も普通の紙より多く含むため、断熱性能も今の和紙より格段に良いそうです。
だから昔の日本家屋は、紙の障子だけでも冬を過ごせたのではないでしょうか。
現在、工事がすすんでいる福島市のM様邸では、この西森さんに特別に漉いてもらった和紙を障子紙として使用する予定です。
どうぞ完成をご期待ください。
長谷川
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