100年前から100年後へ、繋ぐつなげる

こんにちは、はせがわです。

 

今日はメンテナンスでお預かりしていた骨董の長火鉢の納品の日でした。

表面の痛んだ塗装を剥離し、拭き漆を施して仕上げました。

 

この長火鉢、関西火鉢と呼ばれる伝統ある形のものです。

関西火鉢の特徴は、火鉢の周りにお茶などを置くためのソデと呼ばれるテーブルとして使える枠。

明治の頃に作られたもので、およそ100年前のものです。

今回のリペアによりさらに100年もつ物へとリニューアルされました!

 

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ソデはケヤキです。

ケヤキは耐熱温度400度の非常に堅い木です。

 

力強い木目が拭き漆により、さらに際立ちました。

漆は木の呼吸を妨げることのない塗料。

作られてから100年経過しても木は生きていて、表情が年々育っていきます。

この表情は、100年間ヒトが使用した家具だからこそ味わい深いものになっています。

 

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灰もさらさらに。

ソデのケヤキには、紫檀と黒檀の象嵌による意匠が施されています。

ケヤキの大胆な木目に象嵌の黒いラインが鋭く入ることで良い緊張感が生まれています。

 

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枠は頑丈な木組みによって保持されています。ケヤキは激しく暴れることでも有名です。

充分に乾燥させたうえで、指物の技術で木が反らないように組まないとゆがみが出てしまいます。

ここまで大きく分厚いケヤキの材ですから、乾燥技術、指物の技術がどちらも高くないとここまでのものは作れません。

100年以上も歪まずに保持できる木組み。いかにかつての職人の技術が高っかたかが偲ばれます。

 

ラビーダの仕事は昔の価値ある木の仕事を、未来につなげていく仕事。

扱う商品は変わっても、基本理念は何年経っても変わっていません。

 

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火鉢の向こうに見えるのは、ケヤキの蔵戸。

ラビーダが和物の骨董家具を扱っていた時代に火鉢とともにK様が購入された物です。

蔵戸も100年以上経過しているとは思えないほどに綺麗な漆の光沢が。

 

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今回、新しく道産ミズナラの台輪を製作しました。

 

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仕上りをチェックするK様。

 

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引き出しのなかの木も無垢!日本の木の仕事の粋です。

 

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納品後、K様の秘蔵コレクションを見させていただくことに。

このケヤキの火鉢もかつてのラビーダで購入したもの。

日本の木の仕事から学んだ社長の審美眼が、今のラビーダの家具づくりの根底には流れています。

 

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いまも色あせることの無い、モノとしての存在感を放つ日本の民具。

本当に日本人の文化は木とともに歩んできたんだなと言うことを再確認です。

 

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最後はもちろん餃子をたべて帰ってきました!

宇都宮はもう満開の桜。

福島よりも一足早い春を感じつつ、宇都宮を満喫できた一日でした。

 

 

長谷川