昨日、郡山市のT様邸にメンテナンスでお伺い致しました。
今回のメンテナンス内容は三つです。
○玄関扉の再オイルフィニッシィング。
○Lテーブルのメンテナンス。
○Lチェアのレザーケア。
まずは玄関扉から作業していきます。
before
引き手部分
現状としては扉全体の油分が抜けて乾燥しており、引き手に少々カビらしき黒ずみがありました。
ただT様邸の玄関扉は雨掛かりはほとんどなくてムラなく全体がいい具合に乾燥しておりました。現状としてはとても良い状態でした。
さて、作業に取り掛かります。
○まずは全体の汚れ落とし。
○次にヤスリかけ。(今回は#150,#180,#240で仕上げ)
木部には一度オイルが塗ってありますので中まで浸透しています。なので表面上に見えるカビの部分も紙ヤスリで少し削るとあっという間に落ちます。
そして最後にオイルを塗っていきます。
オイルが入ると見違えますね。これで玄関扉のメンテナンスは完了です。
そして次にLチェアのレザーケアです。。。が作業に集中するあまり写真を撮り忘れてしまいました。レザーケアのやり方は前回挙げたブログを参照下さい。。すみません。
さて、気を取り直して最後にLテーブルのメンテナンスです。
T様邸のLテーブルは奥会津産の栗のブックマッチ仕様です。
before
全体的に油分も残っており、きれいに見える天板も細かな所で凹みやシミや汚れがありました。なかなか家族以外には気付かない点ですがこのような点も手を掛けてあげるたびに汚れから味に変わっていくのです。
作業方法としては玄関扉とほぼ同じです。
表面の汚れを落とし、ヤスリ掛けして、最後にオイルで仕上げです。玄関と違う点はヤスリでの仕上げ方です。玄関扉は#240で仕上げましたが、テーブルは#320で仕上げました。家の中で常に触れている部分なのでより肌触りよく細かな仕上げにします。
after
シミや汚れもメンテナンス後にはきれいになりました。
そして皆さん勘違いしやすいのですが、あくまでメンテナンスはモノを新品にする事ではなく、モノをより味わい深く長持ちさせるという事です。
言い方によってはテーブルに付いた傷跡や汚れも味だと思うのです。子どもが小さいときに付けた傷も思い出であり、そのようなものが積み重なり本当の意味で家具は成長していくのです。
新品の綺麗さももちろん惹かれる部分ではありますが、木の家具は使ってこそ本質が分かると思うんです。汚れも落とそうと思えば落とせますが、それには機械を使用し通常以上に木を削ってしまう事になってしまいます。そのため、大きな傷跡やシミは無理して消さずに状況を見ながらケアしていくんです。
状況はすべて違いますので、その時々どの方法がより適切で、より長く大切に使っていけるか。それを瞬時に見定める力がメンテナンスや修理をする者には必要なんです。
メンテナンス自体あまりスポットを浴びる存在ではありませんが、これをきちんと考えているかいないかでモノは全く別物になるんです。
木製家具を使用していくにあたり多くの疑問点が出るのが普通です。それを疑問のままで終わらせずにどんどんご質問下さい。製作し修理する者だからこそ答えられる部分もありますのでお気軽にどうぞ。
ラビーダではLテーブルなどのオリジナル商品からビンテージ商品などの修理、メンテナンスを承っております。因に今回のようなLテーブルのメンテナンスは状態によりますが¥10000〜承ります。
人も家具も同じです。大切な存在には愛情を。
saku
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