とうとう6月も終わり7月に入りましたね。
そして気付くと2014年もあと半分!あっという間ですね。ついこの前正月を祝ったような気がするのですが。。。最近は本当に時間の流れが早い。だからこそ、1日1日を大切に過ごさないといけませんね。日々努力するのみです。
さて、話は本題へ。
今回はハンス・J・ウェグナーのJH503をご紹介します。
言わずと知れた名作椅子の一つです。
正式名称は「JH503」。
この型番ではあまりぱっとしない方も、この名前はどこかしらで見たことがあると思います。
通称「ザ・チェア」
ウェグナーと言えば、まずこのチェアが代表格として挙げられます。
このチェアが有名となった理由としては、アメリカ大統領選のテレビ討論の際にケネディ大統領が使用して世界に知れ渡りました。
しかし、それだけでは名作として扱われるはずはありません。きちんとした根拠があるんです。
まずはデザインについて。
一番このチェアの特徴とも言えるものが、肘置き部分と笠木部分が一体化したデザインなんです。
通常は笠木と肘置きは別のパーツとして組まれる事が多いのです。材料の歩留まりや組み立ての事を考えてそれが最も効率がいいからです。
しかし、このチェアは肘置き部分と笠木部分をフィンガージョイントと呼ばれる方法で接合する事により一つパーツとしています。強度を保ち、尚かつ前脚と後脚の計4点でホゾが組まれているのでまず緩んで抜ける事ということはほとんどありません。
もちろんこれだけでも凄い技術なのですが、ここからがまた凄いのです。
笠木からアーム部分を最終的に職人さんが自らの手で削り仕上げているのです。
現在は機械の技術も向上しほとんど機械が仕上げてしまっていますが、当時はそんな高度な機械もあるはずもなく仕上げはほぼ手仕事なのです。
なので、個体様々ディテールは違っているんです。シャープなものもあれば、ちょっと丸みのあるものまで。それを見比べるのもまた面白いんです。
現在販売されているものはPPモブラー社で製作されています。よってPP503と呼ばれます。素材はビーチ、アッシュ、オーク、メープル、チェリー、マホガニーの6種類から展開されております。
今回紹介したJH501はJohannes Hansen社のヴィンテージものです。この頃の素材はオーク、マホガニー、チークの3種類です。
しかし、このJH503はなんとウォールナット材なのです。
10年ほど前に社長が仕入れた秘蔵の6脚の中の1脚なんです。色目はチークにとても似ていますが、木目と導管の通り方をきちんと見てみるとこれはチークの木目ではない!ウォールナットだったんです。
しかし、ウォールナット材のJH503はまず聞いた事がない。。。
そこで様々なヴィンテージ家具を見て触れてきた社長に相談しました。
そして、見出された答えはKnooll社がJohannes Hansen社に別注して造られたものだという推測に至りました。
希少ではありますが別注家具の味わいはまた別格なんですよね。しかし、このような家具に触れられるってことは本当にありがたい限りです。
まだまだ伝えたい事はたくさんあるのですが、あまりにもこの椅子は情報が多すぎるんです。
まず今回のJH503はここまで。
日々ラビーダで修理や製作する私の目線から様々な家具を解説していこうと思います。
saku
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