月日はあっという間に過ぎてもう11月ですね。
日中の気温も段々と下がり、ラビーダでは薪ストーブを焚き始めました。冬の雪は出来るだけ遠慮したいものですが、この時期に灯す薪ストーブの温かみは楽しみでもあるんですよね。ラビーダに来た際には是非薪ストーブで石油ストーブにはない温かみを感じてみてください。
さて、今回は飛騨産業さんのPROVINCIAL(プロヴィンシャル)シリーズのテーブルを修理しました。
この家具シリーズは20年ほどに、渡部社長が特に惚れ込み販売していた家具なんです。今のラビーダの家具とはイメージは違いますが、とても重厚でよい作りをしているのです。
今回の修理品は渡部家具店時代からお世話になっているお客様からの依頼です。
before
天板部両側の塗装が長年の使用により劣化し剥がれてしまっています。
修理内容
○天板の部分剥離。再塗装。
今回の修理は試行錯誤のなか作業を進めました。一見、簡単そうにみえるのですが修理を担当する私からするととても大変な作業なんですよ。
何が大変かと言いますと。。この塗装方法が厄介なのです。
『ウレタン塗装』
ウレタン塗装はさまざまな素材に強固な塗装の膜を張ります。そのため油や水などにとても強く、お手入れも必要なく使える事から家具などに多く使用されています。
使用者にすればメンテもいらないし、傷もつきにくくいい事尽くめの塗装に思えるかと思います。しかし、デメリットもあります。長年使っていくと塗装は日々劣化していき、使用状況にもよりますが7年ほどでペリペリと皮が捲れるように剥がれていきます。今回のテーブルがその例です。
こうなってしまったら、なかなか部分補修というものが出来なくなります。修理方法としては、一度塗装面の塗料をすべて剥離して、木部を削り、再度塗装をします。オイル塗装では簡単にすんでしまう作業でも、ウレタン塗装では専用の塗装室や塗料の調合(色味や艶の割合など)が必要です。その上作業工程が増えるため、修理費用もいいお値段が掛かってきてしまいます。(モノによっては販売価格より高くつく事もザラです)
そのためラビーダではオイル塗装を推奨しているんですね。メンテナンス費用もオイル代ほどで済んでしまいますし、何より自然由来のオイルなので安全です。
という専門的な話が長くなってしまいましたが、塗装一つで今後のメンテナンス費用や家具経年変化の仕方も全く変わってしまします。
もちろん使用する方の生活スタイルにもよりますので、一概にウレタン塗装が悪いという事はありませんがそのようなメリットとデメッリットをきちんと理解してほしいと思います。
after
長く付き合う家具だからこそ、きちんとした知識と選択をしていきましょう。
余談ですが、数十年前にラビーダ前身である渡部家具店時代で修理させていただいた骨董の座卓を見せていただきました。
良いものを長く、手を加えながら使っていく。今も昔も変わらないその意思にとても感動しました。
T様ありがとうございました。
黒柿の座卓
紫檀の座卓
saku
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