こんにちは、長谷川です。
先日の納品は、ラビーダのオリジナルソファ(Lソファ)の替えのカバーをご注文されたお客様。
Lソファはカバーリングソファといわれる、カバー交換が簡単にできるソファとなっています。
T様がラビーダからLソファを購入されたのは、もう10年も前の事だそうです。
窓際に置かれ、毎日座ったソファは、カバーもクッションもだいぶへたってしまったような印象でした。
しかし、伊藤さん曰く、Lソファのクッションはへたる事がないとのこと。このLソファのクッションも簡単に甦ると言います。本当でしょうか?
まずはクッションのカバーを交換して行きます。
カバーの着脱は簡単に出来ます。中のクッションは長年の加重によりつぶれてしまっているようにみえますが、、、
クッションに空気をいれることでみるみるうちに膨らんでいきます。
カバー交換後のソファです。クッションが膨らみ、張りが出た事がおわかりいただけるでしょうか?
この長年持つ仕組みはクッションの構造にあります。まず一番大きな事が、超高密度のウレタンをクッションの芯に使用している事。(一般的なソファに使われるウレタン密度は26kg/㎥程度ですが、Lソファの座面のウレタン密度は40kg/㎥、50kg/㎥、52kg/㎥の三層構造。柔らかい座り心地とへたりにくさの両立のための三層構造です。)
さらにウレタンの芯を包むダウン(羽毛)にはヨーロッパグースのフェザーをふんだんに使用しています。一般的にダウンに使われる羽毛はグース(ガチョウ)かダック(アヒル)のものが使われますが、ダックにくらべグースの羽毛は空気含有力に優れ、羽枝が柔らかくコシが強いという特徴があります。そのため、より良質なダウンはグースの羽毛を使っているものと言われます。
グースの質は産地によっても大きく差があります。中国やアメリカでは輸出用ダウンのためにたくさんのグースが飼育されています。しかし世界最高のグースは、羽の一枚一枚が大きく、品質が安定している、飼育の歴史と伝統が長いヨーロッパのものであると言われています。
そのような良質のグースから獲れるフェザーだけをふんだんに使われているため、フィルパワー(ダウンの復元力)が非常に高いクッションが実現しているのだそうです。
もしも好みのソファが、Lソファのようなスタンダードなソファでしたら、是非ウレタン密度とダウンの種類に注目してみてください。10年、20年とずっと長く使えるソファかどうかは、素材の品質で変わってくると言っても過言ではありません。
カバー交換が完了し、新品のような佇まいになったソファ。部屋の雰囲気もがらりと変わり、T様にも大いに喜んでいただけました!
ところで、ソファの隣においてあるイージーチェア。実はフィンユールが1945年にデザインしたNo.45という名作椅子です。世界で一番美しいアームチェアとして世界中で愛されているこの椅子は、世界中で復刻、再製作されていますが、こちらはなんと当時のニールスボッター工房で製作されたオリジナル!しかもワシントン条約のレッドリスト(絶滅危惧種)に登録されているブラジリアンローズウッドを素材に作られていますから、非常に、非常に希少な椅子です。
そんな椅子に座らせていただいてきました。感動です。
10年前にはラビーダ店頭に並んでいたというこのNo.45。先日メンテナンスをしたエリザベスチェアもそうですが、MoMAにもコレクションされているこのような名作椅子が、身近な場所で見れるということは本当に幸せですね。
まだまだお店には希少なビンテージのオリジナルが展示されていますので、ご来店の際には気軽にスタッフに聞いてみてください。
ソファの隣に置かれたサイドボードもラビーダのオーダーメイドで製作された家具です。ピータービッツのデザインを踏襲しながらも、この場所にぴたりと収まるサイズになるよう設計しなおされました。
見た目以上の収納力があり、リビングに物が散らからないとT様には喜んでいただけているようです。木製蛇腹の引き戸もしっかり再現されています。
特筆すべきはこちらの引き出しです。化粧品のボトルなど、背の高いものを収納したいとの希望から、引き出し二段分の高さで、一段の引き出しとなるよう製作されています。
このようなお客様の要望に細やかに対応できることが、オーダーメイドの家具製作のメリットですね。
ダイニングの家具や書斎のデスクも、以前ラビーダでお求めになられたものを何年も大事に使っていただいています。
行き届いた手入れがされていて、本当に大切に、愛情をもって家具を使っていただいているという事が伝わってきて嬉しい限りです。
T様、この度はありがとうございました! Lソファは、まだまだ現役で使えますので、この先10年、20年と使っていっていただけましたら幸いです。
またメンテナンスが必要なことがでましたら、お気軽にお声がけください!
長谷川
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