こんにちは、長谷川です。
A様邸の家具、今日は造作家具として住宅のためにあつらえた家具のご紹介をしたいと思います。
まずは玄関に配置された靴箱。タモの突板で製作しました。
穏やかで優しい木目は、汚れが目立ちにくいというメリットもあります。
靴箱の棚板は外すとブーツも収納できる高さとなるよう設計されています。
靴箱右側面のパイプはスリッパを収納するためのもの。
玄関の必要な機能を省スペースに収まるよう心がけて設計しました。
玄関扉もチークで新たに製作しました。
木製玄関は非常に断熱性能に優れ、経年変化による味わいが月日とともに家に表情を与えます。
洗面台も新たに製作しました。
今回のリノベーションによって洗面台と洗濯機の位置を入れ替えています。
浴室のすぐ隣にあった洗濯機は、浴室への入り口を狭めていたため、洗面所の室内をより狭く感じる要因となっていました。
鏡をスライドさせることにより、棚が現れます。
鏡の引手部分はチーク無垢材。手になじみやすいよう、彫り込んだ意匠になっています。
新たに製作された洗面台。
浴室からの動線のストレスをなくすため、楕円のボウルを元に設計しました。
既存の配水管の立ち上がりをあえて活かした設計になっています。
今回のA様邸の一階の床はすべて土間(コンクリートの上にテラコッタ調のタイル張り)でした。
既存のコンクリート床を壊すような、水回りの大掛かりな工事を控える事によって、コストダウンを計っています。
洗面所と玄関をつなぐ空間の収納スペースは、内側にも漆喰塗りを施してあります。
トイレのために新たに製作された収納棚。こちらもタモ突き板です。
トイレットペーパーが1ダース分ちょうど収まるように設計されています。
階段の手摺もチーク製。金物によって支えています。
触って気持ちがいいように、手摺の先端は丁寧に丸めています。
階段の段板は桧の無垢材。浮造りという、La Vidaオリジナルの滑り止め加工を施しています。
こぢんまりと気持ちのよい住宅をコンセプトとした今回のリノベーション物件。
今後ますます増えて行く日本の中古住宅を、再生し活用するひとつの解決案ができたように思います。
天井・壁は漆喰に、床は桧の無垢材に張り替えた事で、家全体の空気がとても気持ちのよい空気に変わりました。
水と空気、それは何にも換えの効かないかけがえのないもの。自然素材で家具と家を作る事は、目には見えない空気が変わる事によって、なによりも気持ちよく健康になりそうな住宅になるということが醍醐味です。
今回のA様邸のリフォームでは、A様がそれまで使われていた既存の家具の採寸と配置計画も合わせておこなわせていただきました。
A様の大事にされていた家具を、これからも大事に使っていただける空間にすることも、家具屋として大切な使命であると考えています。
A様、今回は本当にありがとうございました。
家と家具という空間に、A様の生活が馴染んでいかれること楽しみにしております。
長谷川
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