リペア:ビーンズテーブルの天板交換

先週週末は寒かったり、暖かかったり不思議な天気でしたね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。今週は木曜日に雪が降るとの予報ですが、まだタイヤ交換をしていない人も多いのではないのでしょうか。私もその一人です。皆様も雪や道路の凍結には十分にお気をつけくださいませ。

 

さて、今回はお客様よりサイドテーブルのリメイクを承りました。

 

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依頼品は小ぶりで可愛らしいビーンズテーブルです。

こちらはネットにてご購入されたそうです。しかし、いざ商品が届いてみたら天板の突き板が部分的に浮き上がってしまっていたので、修理のご相談を受けたのが始まりです。

 

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通常木製家具には2通りの作り方があります。

 

一つ目は無垢材。無垢材とは立木を切り、製材し加工した木材のことといいます。

そしてもう一つは、突き板(フラッシュ構造)です。丸太を薄くスライスし厚み0,2mm程度の薄い板を作り、合板に貼り付けたもののことを言います。

 

そして、メンテナンスは基本的に木部を削る作業をします。そのため、無垢材はメンテナンスすることが可能ですが、突き板は貼ってある木材がとても薄いために削ることはほぼ不可能です。もちろん、突き板使用の家具も修復することは可能ですが、全て手作業で塗装の剥離、木部の直しに多くの時間と労力を要します。そのため修理費用が高くつき、新品を買ったほうが安くなることもざらです。

 

今回のように長年の使用で塗装が劣化し、突き板部分が変形したり剥がれたりしてしまいます。そのこともあり、無理に現在の天板を修復しないで、新たに天板を製作する決断となりました。

 

そして新たに作り直したものがこちらとなります。

 

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イメージがガラッと変わりました。

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天板はチークの無垢材にて製作いたしました。

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木口面は全体のイメージに合うように、なだらかなテーパーに削り上げました。

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天板下には元々あった小物入れの引き出しが隠れています。

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ビーンズテーブルも調べてみると多くの種類が出てくるのですが、今回の真鍮製マガジンラックつきのタイプはほぼ事例としても見られません。このシンプルなマガジンラックのアクセントの有無で全く印象が違います。同じ金属でも鉄と真鍮でも風合いは変わってきます。鉄は錆びで劣化していきますが、真鍮は銅と亜鉛の合金なので錆びづらく、経年変化してより深い色味に変化していくのが魅力でもあります。

お客様もこの部分がとても気に入っていて、一目惚れだったという意味が私も分かる気がします。

 

 

K様 今回もご依頼いただきありがとうございました。

 

 

思い入れのある物やお気に入りの物だからこそ長く大切に使っていきたい。しかし、どんな物でも長く使っていくには日々のお手入れと長い期間で生じた修理が欠かせません。今お持ちの家具や住宅のことでお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

 

saku