先日の水曜日は大荒れの天気でしたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。春の嵐というより、台風に近かったように思えます。郡山ではちょうど桜の満開時期でしたが、そこまで桜も散らなかったようです。皆様もまだまだ天気が不純な日が続きますので、十分にお気をつけくださいませ。
さて、連日GWのヴィンテージファニチャーフェアの商品を紹介しておりますが、今回もその中の一品をご案内いたします。
今回はボーエ・モーエンセンのスパニッシュチェアです。
ボーエ・モーエンセンは、ハンスウェグナーやフィンユールなどと肩を並べるデンマーク家具の礎を築いた人物です。その代表作には今回ご紹介するスパニッシュチェアやJ39などが挙げられます。
このスパニッシュチェアは、ボーエ・モーエンセンが自邸のためにデザインし愛用していたと言われている作品です。
スパニッシュチェアという名前の由来は、1958年に家族旅行でスペインを訪れたモーエンセンが、現地で見かけた伝統的な一枚革の木製チェアにインスピレーションを受けてデザインしたことから「スパニッシュチェア」という愛称がついたそうです
このチェアの一番の特徴といえば一枚の皮革で作られた座面と背です。
なぜこのような作り方にしたのかというと、この椅子が発表された時期に関係があります。1950年代後半はちょうど車が一般社会に普及し始めた時期です。車が浸透する前は、交通手段は馬がメインでしたが車が普及するにあたり、多くの馬具職人が仕事をなくしました。モーエンセンは庶民の立場に立ち、馬具職人たちに仕事を与えるためにこのようなデザインにしたと言われています。
皮革にはムース革と呼ばれるヘラジカと呼ばれる大鹿の革を仕様しています。ムース革はしっかりとした質感と肌触りが特徴で、高級バッグなどにも使われています。
レザーは使っていくうちに少しずつ伸びていきますので、座面裏にあるベルトを締めることで長く座り心地を維持させる役割があります。素材の性質を見極めたデザインと馬具職人の心意気を感じますね。
そしてもう一つの特徴であるアームです。
幅が広く、地面に平行に伸びているアームは飲み物を置いたりすることができる仕様になっております。わざわざサイドテーブルを置かなくても、この椅子に座りながら読書などを楽しめます。
今回のフレームは通常のクリアオイル仕上げではなく、スモークドオーク仕上げになります。スモークドオークとは言葉そのままにオーク材を煙によって燻し、黒く変色させてものになります。オーク材にはタンニンという成分があり、それが反応して黒く染まります。
今回のスパニッシュチェアは約20年ほど前に、渡部社長がデンマーク家具を多く取り扱うようになった時期に購入したものになります。よって、正式にはヴィンテージ品とは少し違ってしまいますが、長く愛され経年変化はとても美しくヴィンテージ品に劣らない品格があります。
今回のヴィンテージフェアのタイミングで、再びラビーダに戻ってきたのも何かの縁だと思います。
ボーエ・モーエンセンがこよなく愛したチェア。是非GWにはラビーダにご来店くださいませ。
*因みに、こちらのスパニッシュチェアの価格はラビーダ店内のみでの発表になりますので、お楽しみに。
saku
Tweet
|
|