ラビーダの木材置き場

こんにちは。長谷川です。

 

良いモノづくりは良い素材から。

木は一本たりとも同じ物はなく、樹齢や育った土地によって、それぞれ個性が出てきます。

 

例えばナラ。ナラは家具の素材として百年以上前からヨーロッパで重宝されていました。

家具材として市場で流通しているのは主にロシア・中国を産地とするナラですが、ラビーダが惚れ込んで選んでいるものは北海道産のミズナラです。

寒い地域で育ったミズナラは目がつまり、穏やかな木目に成長します。

明治時代の日本では堅く水分量が多い材として扱いづらい材として海外へその多くを輸出してしまいました。

 

木材との出会いは一期一会。すべて性格が違います。良いな、と思った木材に出会ったのならば、そのタイミングを逃してしまうと二度と同じ物には出会えないのです。

 

そのような訳で、ラビーダではたくさんの木材と出会い、ストックしてきました。

 

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ラビーダのお店だけでは場所の保管ができないため、材を保管する場所が別のところにあります。

ラビーダ建築チーム(社長、建築設備担当の岡田さん、現場管理の片山さん)で連れ立って、資材が適切に保管されているか確認に行ってきました。

 

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木材の水分量を計る三人。

無垢材を使用するときに一番大切なことは、適切な乾燥状態であるかどうかです。

 

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この日の一番の目的は、去年(2013年)の9月10日に製材したチーク材の含水量(材の乾燥具合)を調べるため。また、材の裏と表で乾燥具合が変わってくるため、定期的に材をひっくり返し(天地返えし)乾燥具合を一定に保ちながら保管しておくことが大切になります。

 

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一枚一枚、含水量を調べながら材を天地返しして重ねていきます。

 

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だいぶ乾燥しているとはいえ無垢のチーク材はとても重いです。家具づくりに適した素材は堅くて重いものになります。理想的なチーク材の比重はだいたい0.57〜0.69。含水量を適切に管理し、理想の比重に近づけていきます。

 

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この機械はモイスチャーメーターと呼ばれるもの。

このチーク材のこの部分が9.3%ということを示しています。

目安としてはだいたい10%を切っていれば、乾燥具合は上々とのことです。

 

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材に空いた不思議な穴。この穴は、チーク材の産地がミャンマーということと深い関係があります。

ミャンマーでは山から木を伐採したときに、運び出すのはゾウの仕事。ゾウが木を運びやすいように引っかかりを作るために空けられた穴だそうです。

 

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チークはとても乾燥の遅い素材です。天然乾燥で約3年、人工乾燥でも1年はかかります。

 

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どんどん作業をすすめます。だいぶ積み上がってきました。

 

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場所や材によって乾燥具合はまちまちです。この材は11.6%ありました。乾燥しやすい場所に保管場所を移動します。

 

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どんどんどんどん作業は進みます。体力勝負!だんだん息が上がっていきます。

 

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まずは一山完了です。

 

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そこに颯爽と現れたのは、、、、

 

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フォークリフトを操る岡田さん。真剣な表情です。

 

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重い材が、

 

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ひょいっと持ち上がります。

 

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慣れた手つきで材を移動する岡田さん。

 

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片山さんの後ろに積まれているものは、ラビーダの薪ストーブで今期使用しているエコログという薪になります。松やにを接着剤に使った集積材の薪。高い燃焼温度と手軽さ、環境配慮が行き届いた薪です。

 

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片山さんも運転にチャレンジ。

 

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ピースをしちゃう余裕さです。

 

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この天地返しが終わったチーク材。チークをミャンマーから直接買い付けてくる遠藤銘木さんにお願いし、丸太のままで輸入されたチークを山梨で製材してもらいました。この二山に積まれたチーク材はもともと一本の丸太だったわけです。

 

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二山をさらに重ねます。

 

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まずは一本目完了です。

 

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社長と岡田さんは、チークの横に置いてあった、栗材をみています。

この栗材、会津三島町の山奥で自生していた樹齢150年の栗の木を製材したものです。

社長宅Lテーブルはこの栗を使って製作したものです。

 

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奥には天地返しを待っているチーク材がもう一山。

こちらのチーク材は長さ5mを超えるもの。材としては最高クラスのものになります。

 

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材の小口面は黄色の塗料が塗られています。小口から水を吸収し材が割れてしまうことを防ぎます。

よーく見ると、JAPANの文字が。

 

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含水量を計っていきます。

 

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10.4%!少し水分量が高めですね。

 

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同じ材でも先端部は乾燥が進んでいたりします。

 

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こちらにも、ゾウのための穴が。

 

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桟を渡して重ねていきます。

 

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やっと完了です。5mのチーク材の重さは、ほんとうにずっしり。重厚感がほかの材の比ではありません。

 

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ストックヤードの外観は、普通のビニールハウス。まさかここに家具材が大量に保管されているとは誰も思いますまい。

 

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外で見つけた物は栗の木の輪切り。

 

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樹齢150年の栗の木は、ここまで太くなるのですね。

この木と出会えたことは本当に奇跡的だったと社長は言います。

 

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美しい年輪。

この栗材の年輪のように、ラビーダも一年一年着実に成長し、太い会社に成長していきたいなぁと思う長谷川でした。

 

 

長谷川