古い資料を整理していたら、1987年に「渡部家具店」から「ラビーダ」へと名前が変わった時の広告が出てきました。
大変に感慨深いものがあります。
町の小さな家具店だった渡部家具店が、「本物」にこだわるという強いメッセージを持って、情報発信をしていくため、ラビーダとして生まれ変わりました。
「インテリアコーディネート」という仕事が生まれ、生活に感性が必要とされ始めた80年代〜90年代。
当時のDMを見返すと、家具のコーディネートにストーリー性を感じられます。
大量生産全盛だった当時、渡部社長は本物にこだわりました。欧米の家具と日本の家具、そのどちらもの文化で育まれた家具を探し求めました。
欧米の本物と、日本の本物。欧米化が進み大量生産品で溢れる当時の日本で、丁寧に作られた本物にこだわり続けました。
当時の主力商品は、飛騨産業さんのプロビンシャルや、時代箪笥、そしてarflex(アルフレックス)などの高級家具だったようです。
アルフレックスのマレンコなど、未だに人気の高い家具を揃えていた先見の明に、渡部社長の目利きを感じます。
本物の家具を求め日本中、そして世界中を旅するようになったという渡部社長。
そんな渡部社長に、大きな影響を与えた旅が2000年頃に訪れたデンマークでした。
実際にデンマークの現地でデザイナーや作り手と話した社長は、「本物の家具」を作り続けるその姿勢に大きな衝撃を受けたそうです。
「どんな暮らしがしたいか。旅をして、たくさんの人と出会うことによって、気づくことができた。大切なことは近くにあるのに、なかなか気づくことができなかった」
そんな気持ちから、お客様に「気づき」の機会を作れるようなショップを目指し、扱う家具も変化していったようです。
日本に帰国した社長は、すぐにデンマークの家具を福島で紹介し始めました。
フィンユールのNo.53やウェグナーのベアチェアーに日本の骨董箪笥を合わせ、日本の生活様式とデンマークのライフスタイルを融合して見せました。
この当時のラビーダは、デンマークの名作椅子が揃う、美術館のようなお店だったようです。
フィンユール、ハンス・J・ウェグナー、コーア・クリント、ボーエモーエンセンにオーレ・バンシャー。巨匠と呼ばれるデザイナーのオリジナルが並んでいました。
何度もデンマークと日本を行き来し、デザインや制作方法を学んでいきました。
その中で、いかに「素材が大切か」ということに気づいていったそうです。
ダイニングテーブルのあり方や、椅子の選び方など、家具の基本といえる考え方は、食や団欒を楽しむデンマークのライフスタイルから学びました。
渡部社長が代表を務めるようになって、もうすぐ30年。
長い家具人生の中で、あらゆる家具メーカー(天童木工、カリモク、フランスベッド、マルニ木工、カッシーナ、B&Bなどなど)とお付き合いをしてきたそうです。
今、ラビーダのお店に並んでいる家具は、その中で厳選され、社長の目によって選ばれた家具だけです。
そして今では、「理想の家具」を、少しづつではありますが、自分たちで作ることができるようまでに成長しました。
「本物の家具」とは何か。ぜひラビーダのお店で直接、渡部社長に質問してみてください。
家具の専門家として追い求め、たどり着いた答えを教えてもらえると思います。
長谷川
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