5月の連休も過ぎましたが、皆様は良い休日を過ごしましたでしょうか。
さて、今回もラビーダが扱う木について紹介いたします。
前回のブログでは「栗」をご紹介いたしました。今回は日本の花の象徴とも言える「サクラ」についてご紹介しようと思います。
日本人が花と言われて、まず連想するのが「桜」ではないでしょうか。
日本の国花は「桜」と「菊」です。日本人は昔から桜を愛しており、現在の日本の硬貨やパスポートなどにもその絵柄が使われています。
現在、日本には約600種類の桜があります。しかし、そのほとんどが鑑賞目的とした園芸品種です。
桜の種類は大きく分けて2つに分かれます。
山野に自生する野生種の「山桜」と、品種改良により鑑賞目的とした園芸品種の「里桜」です。
全国的に有名な「ソメイヨシノ」は品種改良によって作られた里桜類です。
そして、野生種の桜の代表格はやはり「ヤマザクラ」です。家具に使用される桜材はこのヤマザクラから作られます。
ヤマザクラは日本列島の南半分に分布し、低山地などや平地に多く見られます。寿命は約100〜120年ほどで約15〜20mほどの高木になります。
因みに野生種はヤマザクラやオオシマザクラなどを含めた10種類のみです。
2016年 三春の滝桜
まずは桜の歴史について
なぜ、サクラという名前がついたのか。日本の仏教の考えには八百万の神という考えがあります。その神の中に山や田の神「サ」が存在しました。「クラ」とは神が鎮まる座を意味し、サ神が根元に鎮座したとされる木を「サクラ」と呼ぶようになりました。
サクラは日本に古くから自生しており、その花の美しさからお花見は約1200年以上前から続いています。そして、約1000年前の平安時代の国風文化の影響で桜は幅広く認知され始め、「花」とは桜を指すようになりました。
その後、春といえば桜が代名詞になり、古今和歌集や様々な歴史書の中で春の歌はそのほとんどが桜を歌っているものでした。
次に材料としての桜について
現在世の中に出回っているものでサクラと名のつくものは何種類かあります。
○ヤマザクラ(バラ科サクラ属):高級家具や楽器などに使われ、木肌は緻密で加工性や着色性にも優れている。心材は赤褐色で、辺材は淡黄褐色。別名は本桜と呼ばれています。良材はなかなか市場に出回りません。
○カバザクラ・ミズメザクラ・シュウリザクラ(カバノキ科):ヤマザクラの代用品でカバノキ科。色や木目が似ていることからサクラという名がつく。一般的に出回る材料です。
○ブラックチェリー(バラ科):北米産の材料。市場に量も出回り、ウォールナットと並ぶ高級材。
しかし、サクラは木材としてはもちろんのこと他の用途もあります。
ヤマザクラの樹皮は水や腐敗に強くその光沢から、樺細工として利用されています。全校でも秋田県の角館市が有名で、角館市のみがその技術を継承しているといわれています。
そしてチップは燻煙材としてもその甘い香りからとても人気があります。
最後に食料として。
サクラは花を見て楽しみ、道具として使われることも分かりましたが、実を食べることもできます。野生種は実も硬く小さくて食には向いてはいないのですが、品種改良により「さくらんぼ」として実を食べる品種も多く産出しています。山形には佐藤錦というとても美味しいブランド品のさくらんぼもありますよね。
それに加え、花や葉は塩づけにして桜湯や桜餅などとして季節を彩る和菓子などに姿を変えます。
そして、樺細工にも使う樹皮からは桜皮(オウヒ)と呼ばれる生薬も取れます。
サクラには本当に捨てるところがないんです。
前回のブログにてクリのことを「心の木」と紹介いたしました。今回続編として、桜について調べていくとやはり桜も日本人の文化であり、心の木とも呼べるものではないかと思えました。
クリのように縄文時代からという歴史は長くないけれど、より日本の歴史と文化と共に生きてきたと感じるのが桜だとも思いました。春は桜。秋は栗といったところでしょうか。
[写真左が栗。右がヤマザクラ。]
桜は花期は短いが、短い間に精魂込めて咲く様子が比類ないのであり、盛り上がるような生命力を古来の日本人は愛していたのだろうと思います。
日本の桜。ラビーダのヤマザクラの家具を是非体感しに来てみてください。
saku
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