桐材について

6月もあっという間にあと数日で終わりです。2016年ももう半分が過ぎようとしているのですね。10代の頃は1年1年が長く感じたものですが、大人になっていくと1年が過ぎるスピードが本当に速く感じます。1年の半分という節目ということもあり、改めて1日1日を身を引き締めて大切に過ごさなければいけないなと思います。

 

さて、今回は桐材についてお話ししようかと思います。

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何度か過去にもブログにてご紹介していますのでその記事も重ねてご覧ください。

 

 

はじめに桐という素材について

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桐と言ってまず思い浮かべるのは、桐箪笥や桐のまな板やスノコなどではないでしょうか。最近はホームセンターなどでも桐の集成材を扱っているので、触れたことのある人も多いのではないでしょうか。

桐はその優れた性質から様々な道具や材料として使われてきました。

 

まず桐の特徴はその成長の早さが挙げられます。桐は国産樹の中でも最も成長が早く約7年ほどで直径20~30cmまで成長します。通常、杉や松の成長が比較的速いと言われている針葉樹でもこのサイズになるまでは最低30年ほどかかると言われております。

そのため、娘が生まれたら桐の木を植えると良いと言われたのは、娘が嫁に行く時その桐の木を使って箪笥を作るようにと考えられていたためです。

 

その上、桐は痩せた土地でも栽培でき木材資源としてとても優秀なものでもあります。

桐の木質はとても柔らかくて軽い材料です。比重がとても小さいため、収縮率も低いため狂いが生じにくい材料です。そのため、他の広葉樹の家具に比べて精密に隙間なく作ることが可能で気密性にも優れています。また、空気層が多く熱伝導率が低いため触った時に暖かさを感じます。そのため、寝室などのフローリング材としても使用することができます。

 

 

次に文化についてです。IMG_2693

桐という木材は昔から日本の文化と大きく繋がりがあります。身近なものでいうと日本の500円硬貨やパスポートなどに桐紋が使用されていますね。

 

日本はもともと 和服の文化です。着物や下駄などの衣類はもちろんのこと、建築物や高級な調度品、米びつなどの死活必需品などの多くに使用されてきました。

 

そして、日本の象徴とも言える着物は洋服とは様々な点で異なります。一例に収納方法も洋服は吊り掛けることが多いですが、着物は吊り掛けると型崩れしてしまうので、丁寧に折りたたみ箪笥の中に収納してきました。しかし、日本は他国と比べて四季の気候の変化が大きく、カビや虫などが発生することも多い土地柄です。そのため桐のタンニン成分が防虫、抗菌効果が高いために桐材の箪笥は重宝されてきました。

 

 

最後に現代の桐製品についてです。

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現在、あまり使われなくなったものとして嫁入り道具というものがあります。昔は嫁入りの際には桐の箪笥を持たせたと言います。しかし、現代では皆が住宅を建てるわけでもなく、マンションや賃貸などの省スペースに住み、家を出る際にも嫁入り道具などに大金をかけなくなりました。その為、昔ながらの大きくて高額な日本製の桐箪笥の需要は薄くなっていきました。

 

その代わりに、ここ近年では中国製の桐を使った安価な家具類が世間に広がりつつあります。しかし、中国の桐製品は短時間でアクを抜く為に漂白剤を使い木材を処理します。しかし、その漂白剤は必ずしも安全ではありません。家具類はまだしも、口に運ぶ食材を切るまな板などは危険でお勧めしません。

 

 

現在ラビーダの桐製品は二本松の喜古桐箪笥さんに製作していただいております。

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丸太の製材から家具製作までご自身で一貫して行う職人さんです。材料はすべて国内産の桐材を使い、天日に干し雨風にさらすことでアク抜きをして安全な材料の生産をしています。

 

現代の生活に使いやすい様な大きさ。空間を邪魔しないシンプルなデザインをラビーダで設計し、喜古さんの確かな技術力で製作しております。

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引き手は広葉樹のため硬く、桐の加工とは異なるため、私が社内工房にて一つ一つ製作・取り付けさせていただいております。仕上がりを決める大切な引き継ぎ作業です。

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ここ数年、ラビーダでは桐チェストのご注文がとても増えてきています。ありがたいことに、近場では福島県から遠方だと関西まで納品させていただいております。今までの桐製品のイメージを変える仕上がりになったと思います。

 

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MADE IN 福島 ラビーダの桐チェスト。ぜひ体感してみてください。

 

 

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