栗はブナ科の木で、オーク材やビーチ材などとも近く、家具材に適した木です。
日本では古くから食用としても道具材としても、建築材としても広く使われてきました。
(クリ:出典wikipedia)
マロングラッセのマロンは、栗?
マロングラッセのマロンは、トチノキ科のマロニエの実。
ブナ科の栗とは違う植物です。
ブナ科のヨーロッパクリはシャテーヌと呼ばれます。実はイガの中に複数個の木の実が入っているため、マロングラッセのような大きな実ではないようです。マロンクリームなどのペースト状に加工するものはこちらを使うことが多いようです。
大きな実が一つのマロニエの木の実は、そのままマロングラッセのような原型をとどめた調理をされることが多いそうです。
(三内丸山遺跡:出典wikipedia)
縄文時代から、栗は日本人のそばにありました。
遺跡からは数多くの栗の出土品が見つかっています。
栗の栽培も縄文時代から行っていたため、当時の日本の衣食住において、栗は欠かせない自然の恵みでした。
三内丸山遺跡の栗の大きな柱は、栗と日本人の関係を象徴する遺構として有名です。
遺跡の復元に際して、日本国内では当時のような太い材が調達できず、ロシアの黒海沿岸から直径1m、高さ25m級の丸太(推定樹齢170年ほど)を何本も輸入したそうです。
水に強く腐りにくいため、土台材に。
現代では、栗は水に強く腐りにくいことから、住宅の土台に適した材として重宝されています。
また、地中に埋めても腐りにくいことから、鉄道の枕木などによく使われています。
栗材は昔から、特に東北産のものがいいと言われています。
岩手の南部栗材はブランドとして高価な材ですが、福島産の栗材も非常に優れたものが産出されることで有名です。
家具にも適した材です。
家具材に使用する場合、磨くとミズナラのようにツヤが出ると言われています。
比重の関係から、栗材の家具は軽く感じられます。
大径木が少ないため、幅広の材は希少で、幅はぎをして製材されたもので家具を作ることが多いです。
栗の板目材の木目は非常に特徴的です。
栗材のフローリングは、渋成分(タンニン)の効果によって、使い込むごとに味わいが出てきます。
椅子の背板に使うと、木目の表情が豊かに、大胆に現れます。
東北で伐採された栗材のみを使用してつくられたaチェア。
栗は軽く、丈夫で、時間とともに味わいが出てくるため、使いやすい家具になります。
幅広の栗材は非常に珍しく、希少材です。
写真のテーブルは、推定樹齢150年以上の会津産の栗を使って製作しました。
左右対称の木目は、直径の太い高樹齢の栗の木からしか作れません。
病気や虫に弱い栗は、環境が整わないと長生きすることができません。
日本にの最長寿の栗は、下北半島の樹齢およそ700年の栗と言われています。
世界では樹齢2000年を超える栗(シチリア島の百騎の栗)など、環境が整うことで長寿な樹になります。
食用栗で有名な栗は、丹波の栗ですが、木材としては東北の栗が有名です。
ぜひ地産地消の良材を、家具やフローリングで暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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