家具の材料として、最もおすすめできる樹は、ミズナラです。
硬くねばりがあり、綺麗な木目、ナチュラルな色合い、時間が経つごとに増す味わい、腐りにくく耐久性も抜群です。
家具を作る者ならば、ミズナラのバランスの良い特徴がいかに家具作りに適しているか、理解していただけると思うのですが、一般の方には広くミズナラの魅力は伝わっていないかもしれません。
プレーンである、という特徴が、家具作りにおいて非常に大きな魅力なのです。
家具材としての優れた特徴に、最初に気づいたのはヨーロッパの方々でした。
日本では雑木として「価値のない木」として扱われていたミズナラは、ヨーロッパでは家具や棺、酒の仕込み樽に使うことができる、高級な材として明治時代に発見されました。
北海道産のミズナラは質の高さが評価され、当時の高級家具の材料として大きな需要が生まれました。
そのため、大量に伐採されてしまった高樹齢のミズナラは、今では非常に貴重な木材となっています。
テーブルに使う良質なミズナラを求めて、ラビーダでも度々北海道まで行き、原木の仕入れを行っています。
現在店内で保管している小樽オーク(ミズナラ)は、推定樹齢300年のもの。これらが、LaVidaのテーブル、椅子、あつらえ家具、住宅の材料へと姿を変えていきます。
では実際に、ミズナラはどんな樹なのでしょうか。
特徴としては、ギザギザの葉にどんぐりが実る、コナラ属の樹です。
他のナラの木と比べ、幹に水分が多く含まれていることからその名がついたと言われています。
水分量の多い木材は乾燥に手間と技術が必要ですが、きちんと乾燥したミズナラ材はオーク材の中でも反りや割れなどが起きにくいと言われ、評価されています。
英語で「オーク(oak)」と呼ばれる樹種には、「ナラ」と「カシ」が含まれます。
カシは「硬い木(樫)」と書くことからもわかるように、加工しにくい樹種です。加工性の高いナラ材が家具にはよく使われます。
ナラは落葉樹、カシは常緑樹という違いがあり、欧州でオークと呼ばれる樹のほとんどは落葉樹です。そのため、カシをオークと翻訳しないこともあります。
ギリシャ神話の絶対神ゼウス(≒ローマ神話のジュピター)のゆりかごがオーク材で造られたことが象徴するように、ヨーロッパの人にとってオークは特別な木です。古代ギリシャやローマでは、金の冠よりもオークの冠の方が貴いものとされ、未だにそのオーク信仰は続いているといいます。
(日本でいうヒノキや桜の木に対する気持ちと近いかもしれません)
オーク材にこだわるヨーロッパの人に、非常に高品質な家具材だと評価された北海道産のミズナラ。
大きな丸太(原木)は本当に貴重なものとなってしまい、ラビーダでも材料があるタイミングでしかご提案ができない特別な材料です。
丸太が製材され、大きなテーブルへと変身する流れは、本当に感動的な体験です。
ミズナラ材のテーブルは、現在ラビーダでは二種類ご提案しています。
小径木と中径木の種類が選ぶことができる、規格サイズのaテーブル。
特別な木の魅力をたっぷり味わうことができる、材料に製作するサイズが決まるLテーブル。
実物は、写真では伝えることのできない魅力が詰まっています。
ぜひ一度、実物を見にご来店下さい。
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