2月も気付くともう半ば。あっという間に1週間や2週間が過ぎていってしまっています。忙しいことは有り難い事ですが、集中しすぎて体調を崩す時期でもありますので皆様も体調管理には十分にお気をつけ下さいませ。
さて、今回は20数年前に当社でご購入されたという北海道家具の本棚の台輪を修理いたしました。
ご依頼主さんが関東にお引っ越しするにあたり、実家にある本棚を持っていったら台輪部分がぼろぼろになっていた事から修理をご依頼頂きました。
まずは現状から
一見はどこも状態は悪いようには見えませんね
しかし裏側を見てみると
側板がボロボロになってます。
これは白太キクイムシによる被害だと思われます。
木材には赤身(心周辺の材料)と白太(樹皮周辺の材料)があります。通常家具などには赤身を使います。しかしコストと材料の選別から白太の部分も混ざることがあります。白太は赤身に比べて色味が白っぽく強度なども劣ることから、ほとんどは木取りをするタイミングで外します。
そして今回の修理品に関しては白太が裏側に入り込んでいて白太キクイムシが材料を浸食したのでしょう。キクイムシに害された材料は空洞があき触るとぽろぽろと崩れ落ちてしまいます。
そして修理が完了したものがこちらになります。
今回の修理内容
側板の修復。
当初メールで確認した際には白太キクイムシの浸食が酷く側板の交換を考えていました。しかし、現状を確認したら板厚の1/3ほどが使えそうなのでそれを生かしました。元の材料を使うという事は修理する上で大きなメリットがあります。部分的に材料を交換してしまうと塗装の色や艶感などどうしても周りと全く一緒という風には出来ません。だから既存のものが使えると表の塗装面の色もいままで通りなので見栄えも変わりません。
白太の部分を切り取り同じナラ材を貼り、キクイムシにより穴が空いていた場所には同色の詰め物をして表面の穴も分からなくなりました。
昔に買われたものや今お手持ちの家具でもメンテナンスや修理など今お困りの点がありましたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。手を加える事でより長く大切に使っていただけると思います。
F様ありがとうございました。
saku
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