桐箪笥の製作

こんにちは、長谷川です。

今日はラビーダで製作している桐チェストの製作現場のお知らせです。

桐チェストは、会津産の桐材で製作される、伝統的な桐箪笥を現代的にアレンジしたチェストです。

 

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ラビーダで桐製品全般の製作をお願いしているのは二本松市の「喜古桐箪笥(きこきりたんす)」さん。

桐という木はとても変わった木材で、他の木材とは扱いが変わってくるため、桐に特化した職人さんがいらっしゃいます。

 

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桐と言えば、桐箱です。

 

桐は抗菌性にすぐれ、柔らかく調湿性に優れているため、昔から大切な物の保管箱に使われてきました。

一般的に、家具に適した材料は堅い材であるため、広葉樹を家具に用いることが多いです。

桐の場合、広葉樹の材とはまったく異なり、柔らかく、フカフカしています。

「柔らかい材料で隙間の無い箱を作る」 それはとても熟練技術の必要な難しい仕事です。

 

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しっかりと作った箪笥は、気密性が高く、引き出しを閉めると他の引き出しが空気の圧力で押し出されます。

 

気密性の高い箱を、自然素材だけで作る難しさ。ぜひ想像してみてください。

着物を虫食いから守るため、私たちのご先祖様は限られた材料で鋭い刃物を作り、隙間のない桐箪笥を製作する知恵を身につけました。

桐に特化したその知恵と技術は、高品質の地域の特産品として全国に広まりました。

 

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図面を見てもらいながら、一緒により完成度の高い仕上がりを目指して行きます。

 

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つまみのサイズを確かめる伊藤さん

 

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引手の製作にとりかかる喜古さん。

 

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微調整をしながら引手を取り付けて行きます。

今回の引手は山桜。桐材とのメリハリが出て良いアクセントになる予定です。

 

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喜古さんの工房の屋根には桐材が干されています。

風雨にさらすことで、桐は灰汁が抜け、素直な材に生まれ変わります。

 

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屋根で干されているたくさんの桐。

 

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整然と規則的に並べられています。

 

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道路を挟んで向かい側の空き地には、サイズの大きな桐材が灰汁抜きされていました。

 

ラビーダでは桐の原木伐採にも立ち会っています。

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2012年の11月撮影・会津三島町

ひとつの家具を作るためには、家具職人だけでなく、伐採を担当する杣師(そまし)、製材所をもつ製材屋さん、材を乾燥させる材木屋さんなど、多くの職人の手を経由します。

 

地元で育つ、地元の木。

地元の技術で作る、地元の家具。

ラビーダが大切にしていることのひとつです。

 

長谷川