4月に入りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
4月は様々なスタートの季節ですね。バタバタと忙しく過ごしている方も多いのではないでしょうか。ラビーダのある郡山市では今週末が桜の見頃になります。慌ただしい日々だとは思いますが、一息ついて週末には花見をしてリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
さて、今回はHans Wegner のJH513のarm chairについて解説してみたいと思います。
デンマーク家具の巨匠と言われているウェグナーですが、Yチェアやザ・チェアなどは知っていてもこのJH513を知らない方も多いのではないでしょうか。
JH513はウェグナーが1962年にデザインしたモデルになります。JHというのはJohannes Hansen(ヨハネスハンセン)社の頭文字から取っており、ザ・チェアやピーコックチェアなどもこのヨハネスハンセン社から製作されております。
このJH513はバランスのとれたフォルムと安定した座り心地から「隠れた名品」と呼ばれています。
今回はラビーダのバックヤードから貴重なヴィンテージ品を3点展示しました。
ヴィンテージ品の魅力といえば、その経年変化した木目の味わいと、個体差のあるディテールワークだと思います。なかなか写真だけでは分かりづらいとは思いますが、3つ並んだJH513をよく見てみてください。アームの高さや幅、座面の高さがずれているのがお分かりでしょうか。
約50年前にこちらの椅子たちは作られてはいましたが、現在のようなミリ単位の機械の精度はありませんでした。そのため、機械で大枠の形は製作して後は職人たちの感覚で仕上げられていたのです。その製作時のロットや材料の品質もかなり個体差があります。
今回のJH513も個体差があります。簡潔に述べると左から「小」「中」「大」といったところでしょうか。
JH513(size 小)
JH513(size 中)
JH513(size 大)
現在展示しておりますJH513は全てチーク材になります。製作時期的に見てタイ産のチーク材だと思われます。ラビーダでもよく使うチーク材は家具に使う材料として世界でも珍重されてます。チークは木材自身に油分を多く含み、硬く耐久性があり腐りにくいことから船の甲板材や内装材などに使われてきました。木目も美しく狂いも少ないことから世界三大銘木の1つにも選ばれています。
JH513はシンプルな形ながらも各部のパーツのディテールや材料の取り方も厚盤から削り出すなどとても贅沢で美しいんです。
長く使われてきたこの椅子たちはとてもいい経年変化をしておりました。
「チーク材 左:Lチェア 製作後約3ヶ月 右:製作後約50年」
一つ一つのデザインには理由があり、家具は作られています。それは煌びやかに見せるためではなく、機能的に軽くしたり、強度をもたせたり、材料を無駄にしないことだったり様々です。
なかなか普段は気にしない点をじっくりと見てみると、より家具のことが楽しめると思います。
来店の際には是非それぞれの大きさや座り心地、経年変化したチーク材の色目を見て体感してみてください。
Hans Wegner JH513 チーク/黒革 ¥280,000(税別)SOLD
saku
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