ラビーダのある郡山市ではようやく桜が満開になりましたが、皆さんはもうお花見には行かれましたでしょうか。ここ数日の晴れ間で一気に桜が咲き、ようやく郡山にも春が訪れたように思えます。草花が咲き始め、柔らかい緑が嬉しい反面、花粉症で目がかゆくて辛いのも春らしいと思うようにしています。
さて、本日もGWに開催するヴィンテージファニチャーフェアの商品をご紹介いたします。
まずはハンス・J・ウェグナーのW1とW2です。
写真左手にあるのがW1。右手にあるのがW2になります。
これらはウェグナーが1953年にデザインしたものです。一般的に量産されているのがタイプがW2です。そしてW1が、W2のデザイン原型となったチェアになります。
簡単に見分ける方法が貫の本数です。太い座枠のみの物がW1。座枠が細くて、貫が1本ある物がW2です。
[W1]
[W2]
これらのチェアは現行では製作されておらず、世に出ている物は全てヴィンテージ品となります。
しかし、気になるのがなぜ現行ではW1やW2は作られていないのか。
それは、このチェアの特徴でもある笠木の部分が大きく関係しているのです。
通常、椅子の笠木は人間の背中に合わせて湾曲した形を製作することが多いのですが、狂いや材料の歩留まりから整形合板や曲木と言われる方法で製作しているのが現在は一般的です。
しかし、その常識を覆し製作しているのがこのW1とW2なのです。
一目見ただけでは、分かりづらいのですがこの笠木は大きな塊から削り出して作られているんです。
このような分厚い塊から削り出すので、材料の歩留まりがとてつもなく悪いのです。写真で見ると分かり易いかと思いますが、笠木を除いた部分はすべて端材になってしまうのです。
しかも、この笠木を作るためには最低でも厚みが105mmX幅140mmサイズの木材(乾燥材)が必要になります。これがとてつもなく厄介で、通常家具用に挽く木材が厚くても約60mm(生木の状態)です。ここから木材を乾燥させると多くて約8パーセント収縮します。そして、その乾燥した木材の狂いを取って製材するとさらに木材は小さくなり、最終的に荒取りで約45ミリ程度になってしまいます。
そこから想像していただけると分かるように、この笠木を作るにはそれ専用に大径木の材料を製材・木取りしなければならないのです。樹齢で言うと最低200~250年ものの木材が必要になってくるのです。
そう考えるとW1とW2は現行で生産しないのではなく、生産できない物だと思われます。
一つの塊から削り出した笠木は強度も強く、木目の表情がとても豊かです。
W2にはケイン張りもとても似合います。
その希少なW1とW2を今回のヴィンテージフェアで多数揃えて展示したいと思っております。ヴィンテージ品はいい意味での個体差があります。スラっとした表情の物もあれば、厚みがあってガッチリとしたものもあります。それぞれを並べて自分の好みの形や素材を選んでみるのも楽しいかと思います。
是非GWにはラビーダのヴィンテージファニチャーフェアにお越しくださいませ。
saku
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