暦は師走。2017年も残す所あと1ヶ月となりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。12月になり、朝晩の冷え込みはより厳しくなってまいりました。安達太良山は雪化粧を纏い、冬の景色が広がっています。まだ郡山市では積雪はありませんが、これからの雪に備えラビーダでも少しづつ冬支度をしていこうと思います。
さて、先日桐箪笥のリメイクが完了いたしました。
Before
今回は桐の箪笥です。
お客様のご実家の蔵に眠っていた桐の箪笥を、できるのであれば直して使いたいとでご相談いただきました。
Before
引き出しの鏡板はところどころ欠けなどありましたが、状態は良好。
引き出し内部は割れがところどころ見受けられました。
棒通しや錠前などの金物は錆びて機能を果たしていませんでした。
本体にはシミや傷、欠けなども見受けられました。
今回の箪笥は構造や材料も全体的にしっかりとした作り。本体が杉材で引き出しの鏡板が桐で作られているものでした。修復するときれいに生まれ変わると判断し、お客様にご説明し修復する流れとなりました。
そして、修復が完了したものがこちらとなります。
After
本体は全面削り直し、経年変化した美しい木肌が出てきました。
金物も主張が少なくシンプルなデザインのものに交換しました。
引き出しの引手は当初の金物ではなく、チーク材の1本引き手に変更しました。チーク材は世界三大銘木の一つで油分が多く色味が濃いので、ラビーダでは良く手を触れる場所や水回りなどによく使用します。木肌の色のアクセントにも桐とチークは相性がいいです。
古い錠前は取り外しました。鏡板には桐で埋め木をし、内部には杉材で補修しました。骨董の箪笥など引き出しに錠前が取付けてあるものが多いのですが、普段使いで鍵を閉めることはほとんどなくなったので飾りでつけておくか、取り外す場合が多くあります。
木部にも欠けなどありましたので同材で補修しました。
古い家具を直すにあたり一番気をつけていることが直し過ぎないことです。今まで使ってきた経年変化を生かし、機能を再生させるということです。因みに和家具と北欧家具では直し方の考えや方法は全然違います。
そして、長らく倉庫で眠っていた桐箪笥は、再び心を込めてこれからの日常生活に溶け込むように修復致しました。実はこれで完成ではなく、この箪笥の上置きとなる桐箪笥を現在製作中です。古い味わいと新しい表情がどう組み合わさっていくのか、完成が楽しみです。
Y様 ありがとうございました。引き続き完成を楽しみにお待ち下さい。
Tweet
|
|